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絵画に使われている黄色を見る

―絵画に使われている黄色

フィンセント・ファン・ゴッホ『夜のカフェテラス』
クロム・イエロー


ゴッホの黄色、ヒマワリの黄色といわれる鮮やかな黄色です。1797年に市販されだした合成顔料であるこの黄の絵具がなければゴッホの絵は生まれなかったとも言われています。


ジョット・ディ・ボンドーネ『ユダの接吻』
イエロー・オーカー



中央に配置されたイエスを裏切るユダの着衣が、イエロー・オーカーで表現されています。イエロー・オーカーの鮮やかさが背景の青との対比を強調させ、視線をユダに集めるという役割をしています。


オディロン・ルドン『長い首の花瓶の野の花』
パステル・イエロー



パステルは18世紀中頃に登場した画材で、乾燥して顔料を粉末にして粘土で固めたものです。やわらかく、深みのある色を表現できるパステルの黄色をルドンはほとんどの作品に使用していました。


マルク・シャガール『枝』
カドミュウム・イエロー



黄色は希望を表す色として、恋人たちへの祝福や解放の祈願としてシャガールのさまざまな作品に用いられています。また、シャガールは青と黄、赤と黄の配色で描くことが多いです。


ヨハネス・フェルメール『牛乳を注ぐ女』
レド=ティン・イエロー(R:250,G:204,B:0)



フェルメールは、光と光の反射を描くのに、黄と白を用いたとされています。ただ、多くの作品に登場する女性たちが身に着けている黄色には、暖かみのあるイエロー・オーカーが使われています。

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